「2018年全国林業・草原発展統計公報」の概要
中国の国家林業・草原局の計画財務司は5月22日、林業白書にあたる「2018年全国林業・草原発展統計公報」を公表した。その概要は、以下のとおり。
植林面積
2018年の植林面積、森林保育面積は、それぞれ729.95万ha（うち人工造林367.80万ha、飛行機による種まき造林13.53万ha、新規閉山育林178.47万ha、不成績林の修復132.93万ha、人工更新37.20万ha）、867.60万haにのぼり、目標面積（それぞれ673.3万ha、800万ha）を超えている。植林面積33.3万haを超えている省は、河北省、内モンゴル、湖南省、四川省、甘粛省、雲南省、陝西省、貴州省である。
また、苗木生産量、苗木育林面積は、それぞれ646億3,800本、142.69万haにのぼる。
「一帯一路」沿線国との林産物貿易
一帯一路の沿線国との林産物貿易額は、529億USD（中国の林産物貿易総額の32％）にのぼり、前年と比べて4.7％増加している。うち、輸出、輸入はそれぞれ231億USD、298億USDであり、前年と比べてそれぞれ4.6％、4.8％増加している。
※一帯一路：The Silk Road Economic Belt and the 21st-century Maritime Silk Road。略称： One Belt One Road Initiative
林業投資
2018年の林業投資額は4,817億元（17円／元での換算額：8兆1,889億円）にのぼり、前年より微増している。うち、中央財政資金（1,144億元、1兆9,448億円相当）、地方財政資金（1,288億元、2兆1,896億円相当）、社会的資金（国内の借入金、企業からの投資など、2,385億元、4兆545億円相当）は、それぞれ林業投資額の23.8％、26.7％、50.0％を占めている。
また、林業分野における外国資金の実際利用額は2.61億USDにのぼり、前年と比べて20.2％減少している。
林業産出高
2018年の林業産出高は7兆6,272億元（129兆6,624億円相当）にのぼり、前年と比べて7.0％増加している。うち、広東省は8,168億元（13兆8,856億円相当）でトップとなり、また、山東省（6,736億元）、福建省（5,924億元）、広西自治区（5,708億円）、浙江省、江蘇省、湖南省、江西省、安徽省は4,000億元を超えている。
原木生産量
販売向けの原木の生産量は8,811万m3にのぼり、前年（8,398万m3）と比べて4.9％増加している。 そのほか、農家による自家用材の伐採は446万m3、農家の薪材用の伐採は1,642万m3に達している。
木質パネルの生産量
2018年における木質パネルの生産量は29,909万m3にのぼり、前年（29,486万m3）より1.4％増加している。うち、合板17,898万m3（前年17,196万m3）、繊維板6,168万m3（前年6,297万m3）、パーティクルボード2,732万m3（前年2,778万m3）、その他木質ボード3,111万m3（前年3,216万m3）である。なお、その他木質ボードのうち、ブロックボードは53％を占めている。
木質床板の生産量
木質・竹の床板の生産量は7.89億m2にのぼり、前年（8.3億m2）より4.4％減少している。うち、無垢の床板は1.17億m2（前年1.3億m2）、複合床板は3.94億 m2（前年2.1億m2）などとなっている。
林産物の貿易実績
2018年の林産物の貿易額は1,653億USDにのぼり、 前年（1,500.5億USD）と比べて10.7％増加している。 うち、輸出額は816億USD（前年746.5億USD）、 輸入額は837億USD（前年754.0億USD）にのぼり、 それぞれ前年より10.1％、11.4％増加している。
