インドネシアの基準・規制

インドネシア|国旗

検疫情報については農林水産省のHPにも記載しております。
こちらも適宜ご確認ください。

輸出手続きフロー図

品目の定義

本ページで定義する木材及びその製品並びに木炭のHSコード

4407:

木材(縦にひきもしくは割り、平削りしまたは丸剥ぎしたもので、厚さが6ミリメートルを超えるものに限るものとし、かんながけし、やすりがけしまたは縦継ぎしたものであるかないかを問わない。)

4412:

合板、ベニヤドパネルその他これらに類する積層木材

4413:

改良木材、高耐久木材(塊状、板状、ストリップ状又は形材のものに限る。)

輸入に必要な手続き

1. 輸入制限品目

調査時点:2023年3月

対象品目

4407木材、4412合板、4413改良木材(高耐久木材)

内容

「商業大臣規則 2019 年 第82号」では、4407 製材、4412 合板、4413 改良木材(高耐久木材)を含む物品を輸入制限品目として指定しています。輸入する物品が輸入制限品目に該当する場合、商業大臣からの輸入承認の取得が必要となるほか、輸入承認の取得後は輸入量などのデータを報告しなければなりません。

2. 事業基本番号(NIB)の取得

調査時点:2023年3月

対象品目

4407木材、4412合板、4413改良木材(高耐久木材)

内容

「財務大臣規則 2019 年 第219号」では、木材の輸入は、一般輸入業者識別番号(API-U, AngkaPengenalImpor-Umum)あるいは事業基本番号(NIB)を有する企業のみが行うことができると定めています。
事業基本番号(NIB)は、 「2018 年政府規則第 24 号(GR 24/2018)」を根拠に整備されたOSS(Online Single Submission)システム上で取得することができます。Webサイトにアクセスし、数時間で取得することができます。

3. 輸入制限品目の輸入手続き

調査時点:2023年3月

対象品目

4407木材、4412合板、4413改良木材(高耐久木材)

内容

「商業大臣規則 2021年 第20号」では、4407 製材、4412 合板、4413 改良木材、高耐久木材に分類される製品の多くに対して輸入承認(PI)の取得と輸入通関後の検査実施を義務付けています。
輸入承認(PI)を取得するためには、インドネシア・ナショナル・シングル・ウィンドウ(INSW)を通じた申請手続きを行うことが必要です。

輸入通関後の検査については、輸入申告後にグリーンライン、イエローライン、レッドライン等に区分され、その区分ごとに異なる検査手続きが取られます。
グリーンライン:形式上の書類審査のみ
イエローライン:書類審査の実施
レッドライン:書類審査および現物検査
通関優先パートナー(MITA)ライン:優良事業者に対して認められる

一般的には、輸入者が初めて輸入する際は原則レッドラインからで、輸入実績を積むことによりイエローライン、グリーンラインへと順に格上げされていくとされています。

輸入承認(PI)の取得必要有無や輸入通関後の検査実施有無については、関連リンク「商業大臣規程2021年第20号」の付録1(Lampiran I)を参照してください。

4. 合法性証明の取得

調査時点:2023年3月

内容

「貿易大臣規則 2015年第97号」では、インドネシアへの木材および木材製品の輸入に関する規定が定められており、輸入承認(PI)を取得する際には木材の合法的伐採証明を提出しなければならないとしています。
「持続可能な生産林管理局長規則 (P.7/PHPL–SET/2015)」では、輸入者はSILKサイトを経由してデューデリジェンスを実施し、その結果に基づき輸入申告を実施することとしています。
「林産物の輸入に関するデューデリジェンス結果の確認および申告ガイドラインに関する通達 第2号」では、木材合法性検証機関 (Lembaga Verifikasi Legalitas Kayu (LVLK) ) に輸入業者による輸入の監査を課しています。この作業を実施する枠組みの中で、LVHKが監査を実施するための指針として、デューディリジェンスの検査と林産物輸入申告のガイドラインが作成されています。

SILK(オンラインシステム)におけるデューデリジェンスの申請

デュー・ディリジェンスとは、輸出国および収穫国からの木材製品の合法性を確保して輸入活動の遵守を確保するとともに、木材製品の不法輸入を防止するために政府が行うチェックプロセスです。輸入者からSILKを通じてデューデリジェンスデータ及び情報の提出があった場合、LVLKが検査を実施し、その結果を受け環境林業省林産物加工販売局長が審査を行います。デューデリジェンスの審査は7営業日以内に実施することとなっており、審査結果を受け、環境林業省により輸入勧告が発行されます。

SILKは、木材製品の輸入に関して、ドキュメントの形式で二次情報を収集します。SILK上で請求・検査される書類の種類は次のとおりです。

  1. 輸入承認の写し
  2. 輸入申告書・輸入勧告書の写し
  3. 木材輸入/木材製品供給業者適合宣言書の写し (Deklarasi Kesesuaian Pemasok) (DKP)
  4. デューデリジェンス表(次の項目を含む)
    a.輸出者の合法性の証明
    b.生産者合法性の証明
    c.輸入される木材原料・製品の原産地トレーサビリティと合法性の証明
  5. 商品の輸入に関する通知 (Pemberitahuan ImporBarang) (PIB)
  6. 請求書
  7. パッキングリスト (P/L)
  8. 船荷証券 (B/L)
  9. 輸入実現報告書(Import realization reports)
  10. Log Stock Reports (Laporan Mutasi Kayu Bulat) (LMKB)
  11. 加工木材在庫報告書 (Laporan Mutasi Kayu Olahan) (LMKO)
  12. 生産レポート
  13. 輸入原材料を使用する商品の輸出レポート
  14. 輸入関税納付証明書 (輸入品が輸入関税の対象となる場合)
  15. 取引が制限されている木材種に関するその他の関係書類 (ワシントン条約に基づくものを含む)

さらにデューデリジェンス表については、合法性の証明書が輸出国の言語である場合は、事前にインドネシア語または英語に翻訳されなければならないとガイドラインでは定められています。

上記の情報について、輸入者はSILKシステムに情報を登録することで電子的に提出され、LVLKによってデューデリジェンスの結果が審査されると、輸入勧告を受領することができます。

5. 植物検疫

調査時点:2023年3月

対象品目

4407木材、4412合板、4413改良木材(高耐久木材)

内容

「動物・水産物・植物検疫法」では、完成品以外の物品の輸入に対して植物検疫検査の実施を義務付けています。植物検疫検査の実施にあたっては、インターネットを通じて所定の書類の提出が求められます。

検疫の内容は、検疫当局が設定する3段階のリスク評価(高リスク、中リスク、低リスク)の高低に応じて設定されており、低リスクの輸入物品に対しては簡易的な検疫対応となっています。

低リスクの場合

  • 書類審査
  • 植物検疫検査所(IKT)にて物理・臨床検査

中リスクの場合

  • 書類審査
  • 植物検疫検査所(IKT)にて物理・臨床検査
  • サンプルを取り、ラボでの検査

高リスクの場合

  • 書類審査
  • 植物検疫検査所(IKT)にて物理・臨床検査
  • 隔離、観察、ラボでの検査

6. 輸入申告

調査時点:2023年3月

内容

輸入申告には、以下の書類が必要とされています。

  • 輸入申告書(税関申告書 C-5020)
  • 請求書
  • 船荷証券または航空貨物運送状
  • 原産地証明書(WTOレートが適用される場合)
  • パッキングリスト、運賃計算書、保険証など(必要とみなされる場合)
  • 関税法以外の法令により必要とされる許可証、証明書等(植物検疫証明書等)
  • 関税および消費税の軽減または免除に関する詳細な説明 (そのような軽減または免除が商品に適用される場合)
  • 関税納付書(物品が課税対象の場合)

木材関連の規制

1. インドネシア国家規格(SNI)

調査時点:2023年3月

内容

「政令 2000 年第102号(国家標準化に関する政府規則)」では、国家標準化庁のもとでインドネシア国家規格(SNI)が制定されることを定めています。また、国家が標準化を強制する物品については、インドネシア国家規格が強制規格となるとしています。

木材に関しては、製材・合板等について規格が複数存在し、品質基準が定められています。
(例)

  • 針葉樹製材(パート1)- 分類、要件および表記(SNI 7540.1:2010)
  • 合板 -表面の外観による分類 - パート3:針葉樹(SNI ISO 2426-3:2008)

インドネシア国家規格(SNI)の取得

インドネシア国家規格を取得するためには、まずSNIを取得しようとする製品・サービス等が、SNIの基準を満たしていることを確認します。
インドネシア国外の製造業者がSNIライセンスを取得するためには、登録を希望する製品に関する輸入ライセンスをもつ現地法人を設立するか、輸入業者を任命することが求められます。その後、製品認証機関「LSPro(Local Product Certification Body)」に申請書類、必要書類を提出し、LSProによる書類審査、工場監査、製品サンプルのラボでのテスト等を経て、LSProよりSNI適正認証状が発行され、BSN(国家標準化庁:BANDAN STANDARDISASI NASIONAL)よりSNIマークの使用承認書が発行されます。

2. インドネシアのラベル表示規則

調査時点:2023年3月

対象品目

建築資材

内容

「商業大臣規則 2015年 第73号」では、以下の5つの分類に属する製品をラベル表示規則の対象としています。

  • 家庭用電化製品、電気通信関連物品
  • 建材用品
  • 原動機付車両用部品(スペア部品など)
  • 繊維製品
  • その他の製品

これらの分類はHSコード毎に行われており、HSコード4407, 4412, 4413はラベル表示規則の対象となっていません。

3. 建築基準

調査時点:2023年3月

対象品目

建築資材

内容

「住宅と居住に関する 2011 年第 1 号法」においては、住宅開発において用いられる建材については、インドネシアの国家基準(SNI)を満たさなければならないとされています。住宅開発には、住宅、インフラ、施設建設、公共事業が含まれるとされ、それらに用いられる建材はSNI規格であることが求められます。

木材製品について、インドネシア国内の住宅用途あるいは施設・公共事業等の用途で用いる場合には、SNI規格の取得が求められることとなります。

4. 森林認証

調査時点:2023年3月

内容

インドネシア国内には、森林認証としては、FSC、IFCC(Indonesian Forestry Certification Cooperation:インドネシア森林認証協力機構) (PEFCとの相互承認)とLEI(Lembaga Ekolabel Indonesia:インドネシアエコラベル協会)があり、 それぞれが持続的森林管理とCoCの認証を行っています。FSCは世界的な認証機関ですが、IFCCとLEIはインドネシア国内で設立された認証機関です。

輸入関税等

1. 関税

調査時点:2023年3月

対象品目

4407木材、4412合板、4413改良木材(高耐久木材)

内容

「財務大臣規則 2022年 第26号」では、HSコード4407, 4412, 4413に分類される物品の関税が以下の通り定められています。

HSコード別の主な関税率

  • 4407:0%
  • 4412:10%
  • 4413:5%

日本・インドネシア間の貿易には「日本・ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP)」(2008年12月発効)、「日本・インドネシア経済連携協定(JIEPA)」(2008年7月発効)の対象となっています。同協定のなかでも、関税率は上記の通り定められています。

他の国の基準・規制

国別の基準・規制についての
報告書(PDF)