シンガポールの基準・規制

シンガポール|国旗

検疫情報については農林水産省のHPにも記載しております。
こちらも適宜ご確認ください。

輸出手続きフロー図

品目の定義

本ページで定義する木材及びその製品並びに木炭のHSコード

4407:

木材(縦にひきもしくは割り、平削りしまたは丸剥ぎしたもので、厚さが6ミリメートルを超えるものに限るものとし、かんながけし、やすりがけしまたは縦継ぎしたものであるかないかを問わない。)

4412:

合板、ベニヤドパネルその他これらに類する積層木材

4413:

改良木材、高耐久木材(塊状、板状、ストリップ状又は形材のものに限る。)

輸入に必要な手続き

1. 個別企業登録、申告代理人の登録

調査時点:2023年3月

内容

シンガポール税関は、通関手続きを開始する前に以下の登録手続きを行わなければならないと定めています。

  • 会計・会社法監督庁(ACRA, Accounting and Corporate Regulatory Authority)または個別企業登録番号(UEN, Unique Entity Number ) を発行する所管の省庁で個別企業登録番号の登録を行い、TradeNet(オンライン通関システム)のアカウントを開設します。外国の会社法人は、ACRAがUENの発行を行います。
  • 法人の種別の選択・登録費用の支払いなどを行ったうえでBizFile+のウェブサイトで登録を行います。
  • TradeNetのウェブサイトにログインし、オンライン通関用のアカウントを開設します。

※各種証明書の申請には、申告代理人(Declaring Agent)を利用することが可能です。申告代理人を利用する場合、TradeNetにて代理人を指定し、代理人を通して各種許可証の発行を申請します。申告代理人を利用しない場合、自らを代理人として登録したうえで、TradeNetを通して税各種)の発行を申請します。

手続きの詳細および最新の情報、申告代理人の一覧については、関連リンク「シンガポール税関 輸入業者向けクイックガイド」を参照してください。

2. 管理品目の該当有無確認

調査時点:2023年3月

対象品目

4407木材、4412合板、4413改良木材(高耐久木材)

内容

「輸出入管理法」では、シンガポールに輸出入される物品が管理品目に指定されている場合、管轄官庁(CAs, Competent Authorities)に対する許可申請が必要であると定めています。この法令に基づき、「TradeNet HS/CA コード検索」機能を使用し、輸入する物品が管理品目に指定されているか、(指定されている場合)管轄省庁はどの省庁であるかについて確認しなければなりません。

過去3年間でシンガポールに輸出実績があるHSコード木材製品について管理品目への該当有無を調べると、製材(4407)・合板(4412)の以下項目が管理品目に該当することが確認できます。なお、いずれの項目に関しても管轄官庁はシンガポール国立公園局であると定められています。

  • 4407.19(管轄官庁:シンガポール国立公園局)
  • 4407.99(管轄官庁:シンガポール国立公園局)
  • 4412.99(管轄官庁:シンガポール国立公園局)

管理品目に該当する場合は、貨物通関許可証の申請が必要です。詳細については、「③ 管理規定への対応(管理品目に該当している場合) ・貨物通関許可証の申請」を参照してください。

3. 貨物通関許可証の申請

調査時点:2023年3月

対象品目

4407木材、4412合板、4413改良木材(高耐久木材)

内容

輸入する物品が管理品目に指定されている場合、規制要件を満たしたうえでTradeNetを通して管轄官庁から発行される貨物通関許可証(CCP, Cargo Clearlance Permit)を取得しなければなりません。貨物通関許可証の発行は、輸入許可証(「④ 輸入許可証の申請」を参照)の発行と同時に行われます。
貨物通関許可証の発行には、船荷証券(shipping documents)、請求書(invoice)、包装証明書(packing list)が必要であり、合法性証明などの提出は必要ありません。船荷証券には、木材の学名・HSコード・品目コードを記載することが求められます。
貨物通関許可証の申請は、(同一品目の輸出であっても)輸出する度に行う必要があります。
貨物通関許可証は、最短で1日で発行されます。

「絶滅危惧種輸出入法」は、輸出する物品がワシントン条約によって規制されている場合に原産国あるいは最終経由地の関係当局によるCITES輸出許可証(CITES permit)をTradeNetに添付することを求めています。日本における代表的な樹種であるスギ・ヒノキ・カラマツはワシントン条約により国際取引が規制されている樹種に該当しないため、輸入は制限されません。

4. 輸入許可証の申請

調査時点:2023年3月

内容

「輸出入管理法」では、商品の輸入に際して輸入許可証の提出を義務付けています。輸入許可証はTradeNetを通して申請を行い、シンガポール税関より発行されます。

5. 植物検疫

調査時点:2023年3月

内容

「植物管理法」はシンガポールに輸入される植物に関する検疫について規則を定めていますが、日本における代表的な樹種であるスギ・ヒノキ・カラマツを使用した製品は植物検疫の対象に該当しません。一方で、日本からシンガポールに木材を輸入するにあたっては樹種を問わず日本で発行された植物検疫証明書を提出することが一般的です。

木材関連の規制

1. 国際標準化機構規格(ISO)、英国規格(BS)等

調査時点:2023年3月

内容

シンガポール国内では、国際規格(ISO、国際標準化機構規格)や海外の規格(BS、英国規格)等が使用されているケースがあります。
いずれも任意規格となりますが、各分野の管轄官庁が必須規格として規定している場合があるため、確認が必要です。

関連リンク

2. シンガポール国家規格(SS, Singapore Standards)

調査時点:2023年3月

内容

国際規格がシンガポールの国内事情に適合しない場合・シンガポール独自の規格が必要な場合に国家規格として制定されます。 シンガポール規格評議会が国内の業界団体等との合意を図り、制定・発行されます。任意規格ですが、各分野の規制官庁が必須規格とする場合もあります。

シンガポール国家規格は、“SS”から始まる規格番号が振られます。(例:”SS XXX”)
国際基準(ISO、EN等)を引用して作成される場合もあり、この場合、その旨が規格番号にも表されます。(例:”SS ISO XXX” ”SS EN XXX”)

3. テクニカルリファレンス(TR, Technical References)

調査時点:2023年3月

内容

適切な規格が存在せず、早急な規格整備が求められる場合に制定される任意規格です。
“TR”から始まる規格番号が振られます。(例:”TR XXX”)
テクニカルリファレンスは業界団体等の合意を必要としません。
制定から2年が経過したTRは、SSとして制定される場合があります。

4. シンガポール国家規格・テクニカルレファレンスの閲覧方法

調査時点:2023年3月

内容

シンガポール国家規格やテクニカルレファレンスは、 ”Singapore Standards eShop”にアクセスし、キーワード検索をすることで購入・閲覧することができます。なお、一部の規格はシンガポール国内からの購入・閲覧ができません。

5. 建築基準

調査時点:2023年3月

内容

「建築基準法」に基づいて制定された「建築管理規則」の「別紙5(Fifth Schedule)」は、全ての建築物が満たさなければならない目標・性能要件を定めています。
建築物が目標・性能要件を満たすためには、建築建設局が定める細則(認証対応策、Acceptable Solutions)に定められている規格に準拠する必要があります。
細則では、シンガポール国家規格・英国規格(British Standard)・欧州構造規格(Eurocode)のいずれかへの準拠が要求されています。また、細則は建築に使用される資材別に策定されており、木造建築物が準拠すべき規格も定められています。その他、全ての建築物は火災安全法に基づいてシンガポール民間防衛隊(SCDF、消防当局)が定める防火安全規則や通達に準拠する必要があります。

シンガポールにおける木造建築について理解するためには、建築建設庁発行の木造建築に関するガイドラインを参照することが推奨されます。ガイドラインでは、木造建築物の設計における要件等が記載されています。(参考リンク「木造建築に関するガイドライン」4.2. Structural Design Considerationsを参照)。

輸入関税等

1. 関税

調査時点:2023年3月

対象品目

4407木材、4412合板、4413改良木材(高耐久木材)

内容

日本・シンガポール間の貿易は、日本・シンガポール新時代経済連携協定、日本・ASEAN包括的経済連携協定等の経済連携協定の対象となっています。
このうち、「日本・シンガポール新時代経済連携協定」では、HSコード4407に分類される多くの物品について、日本からシンガポールに輸出する際の関税がかからないことが明文化されています。また、税関が公表している「実行関税率表」ではシンガポールから日本にHSコード4412, 4413の物品を輸入する際の関税率0%になっていることが確認できるため、HSコード4412,4413の物品を日本からシンガポールに輸出する際も関税がかからないことが想定されます。

他の国の基準・規制

国別の基準・規制についての
報告書(PDF)